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2011.03.08

白黒って1bitでいいんじゃない。

tokitaroは基本的に写真は主にカラーで撮ってる。
遠い昔に暗室作業なんてお洒落な行為の真似事をした事もあるが「やってた」と言うのもオコガマシイ程度。
写真趣味が復活してから随分になるが、再開してからはもっぱらカラーでやって来た。
ニコンのフィルムスキャナー・CoolScanIIが1995年に登場し「これならデジタルカラー暗室が実現!」と飛びついてそれ以来カラーネガからのカラープリントの探求を続けて来た。これはこれで長く深い泥沼になり紆余曲折あって一度はネガを諦めて大人しくポジで撮ってた時期もある。近年カラーネガのスキャン&プリントがやっと自分なりのノウハウが蓄積されて大体思うようにコントロール出来るようになった。ゲロゲロ!っと10年以上掛かってるやん。

話変わって白黒、黒白、モノクロ。
カラーでやってるが白黒も嫌いではない。自分であまりやらないのは、ツマラン写真もそれなりに観れるように成っちゃう気がするのと、普通にカラーで撮れる時代に敢えて白黒で撮る自分なりの理由が欲しく、写真の持つ写実性を受け入れるのを否定するのが嫌っていう面倒臭い性格の故。。。
と表向きの理由を述べたが、適切なアウトプット手段が無いって言うのが実際には超大きな理由だったりする。

たまにはモノクロフィルム(XP2とかだけど・・・)詰めて撮る時もあるし、カラーで撮ってる時も「これモノクロだとカッコイイかも?」なんて思いながら切る時もあり、ミックス光源で撮った友人のスナップなんかも気持ち悪い色より白黒にしちゃった方が全然良い写真もイッパイある。

でも、アウトプットが・・・
自家現で綺麗で素敵なプリントが出来る人には「何言ってんの?」って話なんだが・・・
カラーインクジェットプリンターがガンガン性能上がって来て、インクジェットのカラー出力に可能性を感じてやって来たワケだが、白黒は全然駄目駄目の時代が長かった。グレーバランスが捻れたプリントアウトに絶望してスッカリ白黒のヤル気ゼロだったワケです。
カラープリントだと些細なグレーバランスの捻れは、まず気にならない。(程度を超えると耐えられないけど)
ところが白黒だと凄く敏感に判るし、判るとエラク気持ち悪いのだ。
近年白黒に力を入れたインクジェットプリンターがあれこれ登場して来た。今の10色顔料とかのプリンターの出す白黒はそれはそれで大変なクオリティを持ってる。これは間違い無い。デジタル時代の新たな白黒表現を拓いている。捻れも良く調整されていて素晴らしい。素晴らしいんだけどなんか違う。根本的に全く違う方式なんだから当たり前ではあるが、そう根本的に見え方が違うんだ。

8bitの諧調として処理してるデジタル白黒に対して、銀塩プリントの白黒って実は諧調なんて代物は無い。白い紙の中に黒い物質の密度差があるだけ。その密度の違いを人間が見ると諧調に感じてる。
デジタルのインクジェットプリントも最終的にはインクの密度なんだけど、1ピクセルの密度って考え方で塗り並べて行く。

で、思いついたのが「なら1bitで出してみよう」って事。難しい話では無くて2値ディザ変換したデータを黒インクだけで出力するってカラープリンターが出来る前の古典的技法に戻るって事。大昔もやってみた事あるが解像度不足だったし、当時持ってたエプソンのHG-4000ってプリンターの黒は墨汁薄めたみたいな色だったりで全然駄目だった。MacのSE30なんか使ってた時代の話。
けど今は違う。1200dpiで1:1で出力出来るし、顔料ブラックなら真っ黒だし、何より白黒プリントに最適化された紙がある。

そんなんで1bitでやってみた。

1bit_1

上々の結果である。厳密には1200dpiだと不足はある。けど、ちょっと離れると全然判らない。A3出力なら135判の粗めの粒状感に近いから結構イケる。色相の捻れも無し。黒しか吹いてないしね。ピクセル濃度で処理する画とは明らかに違う。300dpiを基準に考えると1200dpiのディザだと1ピクセル相当の諧調は16階調しかないが、人間の目に見える諧調はそうではない。これはイケる。

更に嬉しい事に実に安上がりなんである。
プリントした紙はエプソンのフォトマット顔料専用ってマット紙で、使ったインクは文書印刷用の黒だけ。
画像のプリンターはhpのDeskJet D4160ってhpが新品3980円で叩き売ってたお仕事向けプリンター。紙は50枚でヨド価格1260円+10%ポイント。インクは買うとそれなりにはする。D4160だとhpの#129インクだがヨド価格で2730円+10%ポイントだ。A4出力すると結構インク使って恐らく25枚前後かも知れない。ざっとで一枚150円位かな?正直にやるとそれ位だ。

1bit_2

本日アメリカより届きました。hp用顔料ブラックインク500mlボトル。送料入れて凡そ3000円なり。
ビバ!!!アメ~リカァ~!!!ヽ(^o^)丿
因みに先のhpの#129インクはメーカー発表だと内容量11mlだそうです。(これを129に入れると20ml弱入るんだけどね・・・)
今回出力に使ったインクは数年間放置してあったガビガビに固まったD4160に付属の#129を洗浄して、コレマタ手持ちのパチモンインクを入れたヘッドなんで試しに買ったのは紙だけ。

1bit_3_12

試しの結果。
白黒のスキャンした持ち玉が少ないからデジやカラーネガからの白黒化も含んでる。デカイのはA3だけどこれも紙は安い。
「銚子電鉄はもうちょい起こした方が良いかなぁ。」等と楽しんでる。
あ~楽しい。
XP2で撮ったお客さんとの遠足のスナップもエエ感じに出た。
これからは白黒も意識しながら撮り歩こうっと。

散々書いといてアレなんですが、これって恐らくインクジェットだとhpでしか出来ないかも・・・
あ、レックスマークも出来るかも知れない。レックスで出来たら当然Dellも出来るかも?エプソンとキヤノンは出来ません。
模擬2400dpiとかでは無くリアルに1200dpiのレーザーやLEDページプリンタでも恐らく出来る。バインダーやらが入ったトナーでどんな感じに出るかは判らないけど、マット紙なら多分大丈夫。
インクジェットの良いのは紙の選択幅が大きい事で、モノクロ写真用って月光インクジェット用紙を使って見たら、かなり良い感じだった。が、問題もあって定着性が悪い・・・ フィキサチーフ吹かないと指で擦ると剥げちゃうのである。
顔料対応って紙でもノン樹脂コートの文章用黒インクは駄目みたい・・・ 単なるカーボンの粉だし・・・
ま、安いフォトマットが定着性も良いので普段はこれで良いっす。

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コメント

これプリントでの粒子感を現物見てみたいです。

以前に、このままプリンタの解像度が上がっていったら8bitどころかもっと少ない階調ででも良いのでは・・・なんて考えて居ましたが、既にモノクロだと射程圏内に入っていたのですね。(いやそれ以上か)

投稿: かめ | 2011.03.08 20:13

かめさん、お久しぶりです。
プリント現物は店にあるんですが、、、かめさん遠いんだよね。
見せた方々の反応は良いです。
手に持って腕を伸ばして観れば全然問題無い位。視力にもよるだろうけど・・・
2400dpiあればねぇ。
2400dpiのモノクロレーザー調べてみたら180万円位だせばあるようです。
マット紙だと所謂写真とは風合いが違いますが、悪くは無いです。
月光のブルーラベルに出すと可也良い。微粒面の紙のテクスチャに隠れるのか粒状感も低減します。(こすると剥げます。)
キヤノンの写真用紙光沢ゴールドに出したら、若干締まりは悪いけどRCペーパーに焼いた趣き。これはこれで壁にピン射ししたら焼いたプリントみたいです。(これも剥げます。)
今のところマット紙以外はフィキサチーフ必要ですね。
あまり高くない定着性の良い写真っぽい紙を追々探してはみるつもりだけど、無理っぽいかなぁ。
剥げるの無視すれば月光のブルーラベルはイケます。
ピクトランとかのバライタ調の紙は高いから使ってみてないです。


投稿: tokitaro | 2011.03.09 03:26

モノクロプリントが上手くいかずに悩んでおりました。
HPの旧型のグレーインクが使えるものも考えていましたが、こちらのページを拝見して目からウロコです。
たしかに銀の粒子そのものに階調なんてありませんものね。
大変参考になりました。ありがとうございます。

実験で普通のコピー用紙にプリントしてみたら、懐かしのヒシコピーみたいな雰囲気になりました(笑)

投稿: りょう | 2014.05.13 19:56

りょう様、はじめまして。
2値ディザでプリントはガンマ値が相当に異なります。
フォトショップで2値ディザ変換する前に、簡易的にはレベル補正でガンマを3位にしてみてください。
その後にプリンターにマッチした解像度で2値化します。
最適なトーンカーブやレベル補正に試行錯誤は必要です。

東京中野に機会があれば、ご来店してください。
今なら1bitプリントの現物あります。

投稿: tokitaro@店主 | 2014.05.14 01:09

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